花火大会の歴史|1733年の両国川開きと、1650年から続く九州の奉納花火

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情報確認日:2026年9月18日。花火の伝来と江戸時代の記録は公益社団法人日本煙火協会「花火入門」(歴史の章)、両国川開き〜隅田川花火大会の経緯は墨田区の郷土文化資料館の展示解説と隅田川花火大会公式サイト、九州の大会の起源は各主催者の公式サイトに基づきます。

結論:記録に残る最初の「花火大会」は1733年の両国川開き。ただし九州には1650年から続く奉納花火がある

「日本で最初の花火大会」としてよく挙げられるのは、享保18年(1733年)5月28日に江戸・両国で行われた両国川開きの花火です。前年の享保17年(1732年)に大飢饉と疫病で多くの死者が出たため、8代将軍・徳川吉宗が水神祭を催し、それに合わせて両国の料理屋が幕府の許しを得て花火を上げたのが由来とされています(隅田川花火大会公式サイト「大会について」、墨田区資料)。つまり最初の花火大会は「納涼」ではなく死者の慰霊と厄除けの行事として始まりました。

一方、九州の筑後川花火大会(久留米市)は、主催の水の祭典久留米まつり公式サイトで「1650年の水天宮奉納花火を起源とする」と説明されています。両国川開きより80年以上前で、2026年で第367回を数えます。「大会」という呼び方は後の時代のものなので、どちらを「最初」と呼ぶかは定義しだいですが、九州の花火は江戸の川開きと同じくらい、あるいはそれより古い歴史を持っています。

年表:花火が日本に来てから、現在の花火大会になるまで

年 出来事 出典
16世紀(戦国時代) 黒色火薬が火縄銃とともに伝わる。当初の用途は鉄砲と「のろし」 日本煙火協会「花火入門」
1589年(天正17年)7月 伊達政宗が米沢城で、唐人(中国人)が披露した花火を見物したという記録 同上
1613年(慶長18年)8月 徳川家康が駿府城で花火を見物。これも唐人による披露で、花火に関する信頼できる最古級の記録とされる 同上
1628年(寛永5年) 天海僧正が隅田川で花火を楽しんだ記録。江戸では大川端(隅田川下流)の大名屋敷で武士の花火が人気に 同上
1650年(慶安3年) 久留米藩主・有馬忠頼が水天宮に社殿を寄進し、完成を祝って花火を奉納(筑後川花火大会の起源) 水の祭典久留米まつり公式サイト、Wikipedia
1733年(享保18年)5月28日 両国川開き。飢饉と疫病の死者供養・悪疫退散を祈って花火を打ち上げる 隅田川花火大会公式サイト、墨田区
江戸時代 花火は黒色火薬だけの「和火」で、色は橙色系。鍵屋・玉屋の2軒の花火師が両国で名を上げ、「たまや」「かぎや」の掛け声が生まれる 船の科学館「今日の海の日」ほか
明治時代 化学薬品が輸入され、赤・緑・青などの鮮やかな色の花火が作られるようになる 墨田区
1922年(大正11年) 飯塚納涼花火大会の第1回(2026年で第102回) 飯塚商工会議所
1961年(昭和36年) 両国川開きが交通事情の悪化などで中断 隅田川花火大会公式サイト
1965年(昭和40年) 「水天宮奉納花火大会」から「筑後川花火大会」に改称 Wikipedia「筑後川花火大会」
1978年(昭和53年) 「隅田川花火大会」と名を改めて復活。打ち上げ会場は2か所に 隅田川花火大会公式サイト

江戸の花火が「慰霊」から始まった意味

両国川開きの花火は、飢饉と疫病で亡くなった人の供養と、災いを追い払う祈りが目的でした。花火はその後、両国が納涼の名所になるにつれて「夏の楽しみ」に変わっていきますが、慰霊の性格はいまも各地に残っています。お盆の時期に花火大会が集中するのはその名残で、九州でも関門海峡花火大会は8月13日、山鹿灯籠まつりの花火は8月15日と、お盆に日付が固定されています。長崎県の志佐町納涼花火大会のように、精霊船の流しと同じ夜に花火を上げる大会もあります。

江戸時代の花火は黒色火薬(硝石・硫黄・木炭)だけで作られていたため、色は火の粉の橙色が中心でした。これを「和火」と呼びます。現在のような赤・青・緑の花火は、明治になって化学薬品が輸入されてから生まれたものです(花火の色はどうやって決まるのか)。

九州で長く続いている花火大会

回数は各主催者が2026年の大会名として公表しているものです。回数と年数は一致しない大会が多い(戦争や災害で中断した年がある、数え方が途中で変わった)ので、開始年は主催者が明記しているものだけ載せています。

大会 2026年の回数 起源・開始 2026年の状況
筑後川花火大会(福岡・久留米) 第367回 1650年の水天宮奉納花火 令和8年熊本地震の影響で中止
飯塚納涼花火大会(福岡・飯塚) 第102回 1922年(大正11年)に第1回 9月25日開催予定
日田川開き観光祭(大分・日田) 第79回 — 5月23日・24日開催
みやざき納涼花火大会(宮崎) 第78回 — 8月1日開催
九州花火大会(佐賀・唐津) 第74回 — 10月10日開催予定
おおむら夏越花火大会(長崎・大村) 第74回 — 8月1日開催
川内川花火大会(鹿児島・薩摩川内) 第68回 — 8月16日開催

「続いてきた」大会が止まるとき

歴史のある大会も、毎年当たり前に開かれてきたわけではありません。両国川開きは幕末には行われない年が多く、1961年から1978年まで17年間途切れました。2026年の九州では、7月28日の令和8年熊本地震で筑後川・やつしろ・江津湖など多くの大会が中止になり、大分の中津祇園市民花火大会は協賛金不足と資材高騰で中止、福岡の添田町は財源不足で見送りになりました。花火大会は「続けるための費用と人手」があって初めて成り立つ行事で、その仕組みは花火大会の費用は誰が出しているのかにまとめています。

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