花火1発に使われる火薬の量|尺玉は8.5kg・打ち上げ用は500g、号数別の重さと保安距離

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情報確認日:2026年9月18日。玉の重さ・打ち上げ用の火薬量・保安距離は沖縄花火株式会社(煙火業者)の公開仕様表、四尺玉の数値はWikipedia「正四尺玉」、玉の構造と火薬の成分は公益社団法人日本煙火協会「花火入門」に基づきます。

結論:尺玉1発は約8.5kg。打ち上げに使う火薬は約500g、玉の中身の大半も火薬でできている

「花火1発の火薬の量」には2つの意味があります。ひとつは玉を筒から打ち上げるための火薬(打揚薬)、もうひとつは玉の中に詰まっている火薬(星と割薬)です。煙火業者の仕様表では、尺玉(10号玉・直径30cm)は玉の重さが約8.5kg、打ち上げ用の火薬が約500g。玉の中身は、光る粒「星」と、玉を割って星を飛ばす「割薬」がほとんどで、外側の紙の殻を除いた重さがおおむね火薬の量です。つまり尺玉1発で数kgの火薬が空中で一度に燃えることになります。

号数ごとの玉の重さと打ち上げ用の火薬量

玉の呼び名 直径 玉の重さ 打ち上げ用の火薬 観客までの保安距離(半径)
2号玉 6cm 0.1kg 10g 65m
3号玉 9cm 0.2kg 20g 65m
4号玉 12cm 0.5kg 40g 70m
5号玉 15cm 1.3kg 80g 110m
6号玉 18cm 2.0kg 130g 180m
7号玉 21cm 3.0kg 200g 180m
8号玉 24cm 4.8kg 250g 180m
10号玉(尺玉) 30cm 8.5kg 500g 200m
20号玉(二尺玉) 60cm 70kg 3.5kg 350m
30号玉(三尺玉) 90cm 280kg 15kg —
40号玉(四尺玉) 約120cm 約420kg — —

出典:2号〜30号は沖縄花火株式会社「打揚概要」の仕様表。四尺玉はWikipedia「正四尺玉」(新潟県・片貝まつりで打ち上げ。火薬量は約80kgとされています)。保安距離は火薬類取締法に基づく数値で、都道府県の規定により異なります。

表を見ると、直径が2倍になると重さは約8倍になります(尺玉8.5kg→二尺玉70kg→三尺玉280kg)。体積が直径の3乗に比例するためで、「1号大きくなると威力も倍近くになる」と煙火業者が説明するのはこのためです。

玉の中に入っているもの(日本煙火協会「花火入門」より)

  • 星:光と色を出す火薬の粒。酸化剤(硝酸カリウム、過塩素酸カリウムなど)、可燃剤(木炭、硫黄、アルミニウムなど)、色火剤(赤はストロンチウム、緑はバリウム、黄はナトリウム、青は銅の化合物)を練って丸めたもの。玉の内側に丸く並べる
  • 割薬:玉の中心に詰める火薬。点火すると玉を割り、星を四方に飛ばす。割薬の量と強さで花火の開く大きさが決まる
  • 玉皮:星と割薬を包む紙の殻。何層にも紙を貼って乾かし、割れるときの力を均等にする
  • 導火線:打ち上げの火が玉に伝わり、上空で割薬に点火するまでの時間を作る

「花火1発の火薬」と言うとき、多くの人が想像するのは星と割薬の量です。尺玉なら数kgの火薬が高さ約330mで一度に燃え、直径約320mに開きます。その光と音の仕組みは花火の色はどうやって決まるのかと花火の音が光より遅れて聞こえる理由にまとめています。

大会全体では何kgの火薬が上がるのか

大会ごとの火薬の総量は公表されていません。ただし発数と玉の内訳から、おおまかな規模は想像できます。九州最大級の関門海峡花火大会は両岸で約1万8000発ですが、玉ごとの号数は公表されていません。仮に3号玉(0.2kg)が1万発なら2t、5号玉(1.3kg)が5000発なら6.5tと、玉の大きさで総量は大きく変わります。「1発いくらか」も同じで、3号玉と尺玉では値段が10倍以上違います(花火1発の値段はいくらか)。

保安距離があるから、街中の大会は大玉を上げられない

表の右端の「保安距離」は、打ち上げ場所から観客までに必ず空けなければならない距離です。尺玉で半径200m前後、二尺玉で350m。川幅の広い河川敷や海上なら確保できますが、市街地の狭い会場では尺玉を上げる距離が取れず、小さい玉が中心になります。九州で唯一の全国競技大会であるやつしろ全国花火競技大会が球磨川の広い河川敷を会場にしているように、大玉を上げる大会には広い場所が必要です。花火師の資格や仕事の流れは花火師になるには何年かかるかで説明しています。

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